55歳以上の5人に1人が悩む病気です
前立腺肥大症に悩む人の数は、年齢が高くなるにつれて増えています。増え始めるのは50歳を過ぎてから。統計によれば、日本の55歳以上の男性の2割、5人に1人に前立腺肥大の症状があることがわかっています。
前立腺が肥大すると、膀胱や尿道を圧迫します。
前立腺は膀胱の下に隣接し、尿道をぐるりと取り囲むように位置しています。また膀胱の筋肉は前立腺の筋肉に連動しているため、前立腺が肥大すると尿道が狭められ、膀胱も圧迫。排尿困難や残尿感、頻尿、尿もれなどのトラブルを引き起こします。
前立腺肥大症とEDの関係について
前立腺肥大症と共存する病態として、EDがあります。
EDとは英語の「Erectile・Dysfunction」の頭文字で、「勃起不全」、もしくは「勃起機能障害」や「勃起障害」と訳され、男性の性機能障害(SD)の一つに数えられています。
前立腺肥大症もEDも、加齢男性に多く発症することから、両者の共存は偶然の産物と考えられてきましたが、最近になり強い関連性が見出されています。
前立腺肥大症に関しては、その治療が薬物療法にせよ、手術療法にせよ、性機能に大きく影響することが知られています。
近頃は薬物療法として「ザルティア錠」が処方できるようになりました。
原因
なぜ前立腺が肥大するのか、いくつかの仮説はありますが、はっきりした原因はわかっていません。ただ、加齢と性ホルモンが何らかの影響を及ぼしていることは確かなようです。前立腺肥大症が50歳以降から増え始め、年齢が高くなるにつれて発症する人が多くなっていくことから、加齢が関与していることは、確実です。また、思春期前に事故などで精巣を失った男性は年をとっても前立腺肥大にならないことがわかっており、性ホルモンも何らかの影響を与えているのではないかと考えられています。